形成外科
形成外科
形成外科専門医による診察は第2・4土曜日の午前となります。
院長による形成外科領域の診察も可能ですが、より専門性の高い診察をご希望の場合は上記曜日・時間帯にご来院ください。
形成外科は、怪我・やけどの治療はもとより、生まれながらの異常(変形、欠損)、病気などで生じた整容面の不満足に対して、外科的に見た目や機能を改善(治療)する診療科です。体表面を中心に、頭から足の先まで全身を治療対象としています。
一般的な治療としては、怪我や熱傷(やけど)、皮膚の瘢痕(はんこん)やケロイドの治療、眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)、生まれつきのあざ、皮膚や皮下の腫瘍切除、顔面骨折や傷の治療などがあります。頭蓋骨、顔、あごの骨の変形矯正手術や、口唇口蓋裂、多指症、小耳症などの生まれつきの異常に対する形成手術、乳癌で切除された乳房の再建手術などは、形成外科の特徴的な治療といえます。
老若男女を問わず、全身の見た目や機能の問題を対象として、様々な治療を行っております。体表の見た目などでお悩みや困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
このような症状でお悩みであれば、お気軽にご相談ください。
手術が必要な場合、ほくろ、いぼ、粉瘤、脂肪腫、陥入爪、ばね指などは当院で行うことができます。
その他疾患の手術については、大学病院など関連病院にご紹介させていただきます。
まずは、お気軽にご相談ください。
ほくろは良性腫瘍の一種で、表皮にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まり、黒色斑になります。隆起したもの、平らなもの、毛が生えているものなど様々です。生まれつき皮膚の広範に色素性母斑がみとめられるものは、巨大色素性母斑と呼ばれます。一般的ないぼは足の裏に多く、免疫力低下により粘膜がウイルスに感染して生じるといわれています。顔や首などに出現する老人性のいぼ(老人性ゆうぜい)から足の裏にできるいぼ(尋常性ゆうぜい)まで種類も様々です。治療は電気やレーザーで全体を焼き取る方法や、メスなどを使用してくり抜く方法が一般的です。
一般的に「脂肪のかたまり」と呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた固まりが粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうと無理に圧迫すると、袋が破れて脂肪織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。20歳以下には発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、大腿など四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による脂肪腫の摘出です。
日常生活で多い外傷は熱傷(やけど)です。熱湯やアイロン・暖房器具・蒸気の出る電化製品などやけどの危険性は多く潜んでいます。やけどは、皮膚に高温の液体や固体が一定時間以上接することで生じるもので、火炎や爆発などでも生じる場合もあります。また、比較的低い温度(44~60度)で生じる低温熱傷もあります。この他、薬品(酸、アルカリ溶液など)による化学熱傷や電流(家庭電源、落雷など)による電撃傷などもあります。
原因としては、やかんやポットのお湯、てんぷら油、お茶やコーヒーなど高温液体によるものや、アイロンやストーブなど熱性固体の接触が多く見られます。幼児の熱傷では炊飯器やポットの水蒸気の噴出口や、ヒーターの吹き出し口に触れてしまうケースが増えています。
やけどをしたら、流水で15~30分程度しっかり冷却することが大切です。衣服を着た状態の場合は、衣服の上から冷やしましょう。水ぶくれがある場合は出来るだけ破らないようにしましょう。放置すると水ぶくれが破れて細菌感染することもありますので早めの受診をお勧めします。
眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)は、上まぶたの皮膚が緩むことで生じる加齢現象の一つです。眼を開いたときに上まぶたが正常の位置よりも下がり、上の視野が狭く感じたり、外見が悪く(眠そうな印象)なったりします。まぶたを上げようとするため、まゆ毛の位置が高くなり、額(ひたい)のしわが目立ったり、頭痛や肩こりの原因になったりすることもあります。
眼瞼下垂症は手術で症状の改善が期待できます。まぶたの皮膚を二重(ふたえ)の位置で切開し、眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)を緩んだ分だけ短くする眼瞼挙筋前転法が代表的な手術です。眼瞼下垂症手術は、高齢化を背景にニーズが高まっています。手術適応の場合は、関連病院に紹介させていただきます。
巻き爪は、爪が横方向に曲がり爪の下の皮膚をつかむように巻いている状態をいいます。陥入爪は爪の両端から爪が皮膚に食い込むことで炎症や腫れ、疼痛が生じます。傷が化膿してしまうこともあります。巻き爪と陥入爪が合併して起こることも少なくありません。
予防には正しく爪を切ることが有効です。食い込んでいる爪を斜めにカットすると、爪が伸びるときに再び食い込むため、爪の角を残してカットすることをお勧めします。また、靴の選択や足の衛生管理などフットケアも大切です。早期治療を望まれる場合や、爪矯正などの保存的治療が無効な場合には手術をお勧めします。
やけど・擦り傷・切り傷などの外傷、手術後やにきびなどで傷あとが残ることがあります。深い傷であるほど目立つ傷あとになりますが、浅い傷でも広範囲に及べば整容的に問題となることがあります。
傷あとにはいくつかの種類があります。痛みがある傷が通常の経過で治り、その残った傷あとを「成熟瘢痕」といいます。「肥厚性瘢痕」は深い傷のあとで、傷ができてしばらくはミミズばれのように盛り上がります。お腹など手術後の傷あとなどが肥厚性瘢痕になりやすいといわれています。この他に、皮膚の深いところにある真皮で炎症が続いて生じてしまうケロイドがあります。
治療にはステロイド注射、瘢痕を切除して縫合する外科的治療や、皮膚の再生を促すレーザー治療、傷あとに特殊なメイクアップを施すメイクアップセラピーなどがあります。
わきの下にはアポクリン腺とエクリン腺という2種類の汗腺(汗を出す器官)があり、わきがとは、アポクリン汗腺からの汗の成分と、皮膚表面の細菌が作用して特有の臭いを放つことをいいます。アポクリン汗腺は、ホルモンの分泌が活発になる思春期から活動をはじめるため、このころに症状を訴える方が多いようです。治療は不規則な日常生活や喫煙習慣など、生活習慣を見直すことから始まります。市販の制汗剤の使用や腋毛の処理なども一定の効果が得られることがあります。また、ボツリヌス毒素注射や塩化アルミニウム溶液の外用、レーザーによる脱毛法やイオン導入法、マイクロ波を利用した治療法もあります。
手術治療の適応は、においが強い場合です。アポクリン腺が分布している層を皮膚の裏側から切除する方法が最もよく行われています。切除には特殊な機器(クアドラカット剪除吸引器、超音波メス、脂肪吸引器など)を用いる方法もあります。